3月20日、長崎大学サッカー部・女子サッカー部の共催によるサッカークリニック※の開校を記念して、キックオフイベントが文教キャンパスのグラウンドで開催されました。
このイベントは、男女両サッカー部の学生がコーチとなり、地域の子どもたちへ技術向上の指導だけでなく、体を動かす楽しさや、スポーツを通じた人間的な成長を促すことを目的としています。
今回のクリニックは、小学新1年生から中学新1年生までの42名が参加し、サッカー部員が考案したメニューに沿って進行。ウォーミングアップでは、軽いランニングとストレッチで体を温めた後、ドリブルやリフティングの練習で基礎スキルを強化しました。学生コーチたちは、子どもたち一人ひとりに積極的に声をかけ、「もう少しだね!」「いいね!うまい!」と励ましながら、自らも実践して指導。短時間でも上達できるよう工夫を凝らしました。


トレーニングの後は、学んだことを活かす実践形式の練習へ。各チームに学生コーチが加わり、子どもたちがボールをつなげられるようサポートしました。学生コーチたちは、プレーの流れを見極めながらアドバイスを送り、プレー中に状況を把握し、自分で考えて判断を下す力を高められるよう、子どもたちの動きを引き出すことに注力しました。


クリニックの進行を担当した矢田大翔コーチ(教育学部・4年)は、最後に子どもたちへ「今日のトレーニングのテーマが分かった人はいますか?」と問いかけました。子どもたちの反応を受け、矢田コーチは「そのとおり。『観る』と書いて『みる』です。『見る』とは考えずとも見えてしまうことを言います。一方、『観る』は自分で考えて見ることです」と説明。学生コーチたちは、この『観る』を意識した指導で、周囲の状況を把握しながらプレーする大切さを伝え、子どもたちがその意図をしっかり理解している様子に、手ごたえを感じた様子でした。 さらに、田中監督は、「今回、大学生のお兄さん、お姉さんたちは、初めてクリニックを運営しました。実はたくさんの失敗もありましたが、仲間同士で助け合い、失敗を失敗のままにせず、より良い指導を目指して努力しました。皆さんもサッカーでは失敗を恐れず、仲間と協力しながらプレーしてください」とメッセージを送りました。


さらに、特別企画として、日本代表選手の食事を手掛けるNatural Foods Life ikiru様の協力のもと、「安全な食材、添加物不使用の自然な味」にこだわったお弁当を提供。ここでも学生コーチたちが、スポーツ選手にとって食事が重要であること、日々の食生活を意識する大切さについて説明しました。トレーニングで汗を流したあと、皆で食べるお弁当は美味しさ倍増。新鮮で無添加の野菜をふんだんに使った多彩なおかずに、子どもたちだけでなく学生コーチにも笑顔が溢れました。


今回のクリニックについて参加した子どもは「大学生とサッカーできたのが嬉しかった。また皆でサッカーをしたい」と嬉しそう。保護者からは「学生コーチの皆さんはリーダーシップがあり、子どもたちへの積極的な声かけが頼もしかった。長崎でもサッカースクールの閉鎖を耳にすることがあり、こうしてサッカーの場を作っていただけるのは有難い」といった声がありました。
クリニック終了後、矢田コーチは「メニューを考えるのが想像以上に難しく、もっと準備を綿密に行う必要があると感じました。次回は内容をさらに深め、子どもたちがよりサッカーと向き合える機会を作れたらと思います」と振り返り、次回へ向けた課題を見つけていました。
このサッカークリニックは、今後月に1回程度開催し、いずれは週1回の実施を目指していきます。次回のクリニックでも特別企画が予定されており、学生たちはより充実した指導を目指し準備を進めています。
今後のサッカークリニックの情報はサッカー部のInstagramでお知らせします。
※クリニックとは、単発の指導を基本とし、専門的なトレーニングや技術指導を通じて、初心者から経験者まで幅広い層が気軽に取り組めるプログラムです。
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