【熱帯医学研究会】企画展「ダイヤモンド・プリンセス号の長い航海―記録と記憶の継承と創造―」(熱帯医学ミュージアム)

【熱帯医学研究会】企画展「ダイヤモンド・プリンセス号の長い航海―記録と記憶の継承と創造―」(熱帯医学ミュージアム)

2025年2月より、長崎大学熱帯医学ミュージアムでは、長崎国際大学図書館との共催で、企画展「ダイヤモンド・プリンセス号の長い航海―記録と記憶の継承と創造―」を開催しています。

本展は、新型コロナに関する資料や記録、そして当時の人々の記憶を保存・継承する必要性を、社会に発信したいという思いから企画されたもので、長崎国際大学および長崎大学の大学院生、熱帯医学研究会の学生が協力して準備に取り組みました。

展示では、2020年にパンデミックの象徴となったダイヤモンド・プリンセス号の集団感染に関し、当時乗船されていた方々のご厚意で特別にご提供いただいた、船内での様子を記録した資料や実際に使用されていた物品などを紹介しています。また、新型コロナに関する書籍や資料もあわせて多数展示しています。

今回、私たち熱帯医学研究会は、展示品や横断幕の構成、展示に必要な物品、書籍の搬入などの展示準備に携わりました。資料や記録を手に取りながら作業を進めるなかで、「記録と記憶の継承」の重要性を改めて実感し、それを多くの人に伝えたいという思いが一層強まりました。新型コロナのパンデミック経験を社会にどう伝え、未来へと残していくべきかを考える、貴重な学びの機会になったと感じています。

日本においては、2023年5月に感染症法上で新型コロナ感染症を5類に変更し、事実上の収束が宣言されましたが、ウイルスそのものは依然として存在しています。変異株の登場など、私たちは今なお新型コロナと共存する社会を生きています。

新型コロナのパンデミックを経験した社会として、新型コロナをめぐる資料や記録、そして記憶を保存継承し、様々な知見をくみ取り、将来的な未知の感染症に備えることが重要です。これこそがアフター・コロナの社会の課題ですが、実際には資料、記録の廃棄や記憶の忘却が急速に進行しています。

今の学生は、多くが中高生や大学生の時にパンデミックを経験している世代です。やがて、新型コロナを知らない世代が増えていく中で、記録や資料とともに、私たち一人ひとりの「記憶」がますます重要になるでしょう。ぜひ、長崎大学熱帯医学ミュージアムに足を運び、展示を通して当時の記憶を共有しながら語り合っていただければと思います。

長崎大学熱帯医学ミュージアム

企画展「ダイヤモンド・プリンセス号の長い航海―記録と記憶の継承と創造―」

開催期間 : 2025年2月25日 ~ 8月8日 平日9時 ~ 17時

※入場無料

詳細はこちら→ https://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/nekken/info/2025/info-2025-02-25.html

熱帯医学研究会についてはこちら→ https://www.instagram.com/nagasaki.netsuiken/